「賃貸住宅管理業法」施行で管理会社は変わったか
皆さんこんにちは。大家兼不動産屋の廣田です。
さて、今回は昨年12月と今年6月の2回に分けて施行された、
「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」
(以下、賃貸住宅管理業法と書きます)について書いていきます。
国土交通省HP
1.賃貸住宅管理業法が制定された背景
サブリース契約に関して、賃貸経営のリスクを誤認させるような勧誘で、
大家さんとサブリース契約を締結し、その後、保証家賃の減額などのトラブルが多発し、
新聞やTVでも取り上げられる問題となりました。
2018年には、サブリース業者の1社が多額の未払いの保証家賃がある状態で倒産し、
多くの大家さん賃貸経営に行き詰るという問題も発生しました。
このようなサブリース契約を巡るトラブルを受けて、
今回の賃貸住宅管理業法が制定されました。
あわせて、これまで、宅建業法の範囲外であった、
賃貸住宅管理業の登録制度も制定されました。
2.賃貸住宅管理業法の概要
賃貸住宅管理業法は
①賃貸住宅管理業者の登録制度
②サブリース業者における業務の適正化を図る制度
の2つで構成されています。
従来は、賃貸住宅の管理業は、宅建業法の範囲外で業務を規制する特別な法律なく、
特に免許や登録なしに、管理業を営むことができました。
今回、200戸以上の賃貸住宅を管理する場合は、
国土交通大臣への登録が義務付けられました。登録された業者は、
業務に関する規律の順守が求められます。
規律を守らない業者には罰則規定が適用されます。
サブリースに関しては、
大家さんとサブリース業者間の契約(マスター契約)を「特定賃貸借契約」、
サブリース業者を「特定転貸借業者」と定義づけ、
特定賃貸借契約の勧誘と締結に関して規制しています。
規制の対象は、特定転貸借業者とその特定転貸借契約の勧誘者も含まれています。
3. いつから施行されたのか
賃貸住宅管理業法は、2020年6月19日に公布され、
②サブリース業者における業務の適正化を図る制度に関しては、
2020年12月15日に、①賃貸住宅管理業者の登録制度は、
2021年6月15日に、それぞれ施行されました。
2021年6月15日時点で、賃貸住宅管理業者の登録がなく、
200戸以上の管理を受託している業者は、
登録に関しては1年間の猶予期間はあるが、
それ以外の業務は、賃貸住宅管理業法の規制を受けます。