~分譲マンション投資の魅力~
今回から実際に足を運んだときに何を見るべきかをお伝えしていきます。
初回のテーマは、マンションの管理状況です。
エントランスの清潔さ、
外壁の汚れ、ガラスや床の状態、照明の球切れ。
管理状況を映す手がかりはいくつもありますが、
なかでも管理の質が最も正直に表れるのが植栽です。
1.植栽は管理の質を映す鏡
よく管理されたマンションでは、
樹木が均等に剪定され、
枯れ葉や雑草がきちんと取り除かれています。
逆に、枯れた木が放置されていたり、
雑草が伸び放題だったり、
一部の植木だけが不自然に繁茂していたりすれば、
それは手入れが行き届いていないサインです。
植栽のメンテナンスがおろそかなマンションは、
その他の共用部分の清掃や
修繕もおろそかになっている可能性が高いと言われます。
春に新しい花が植えられ、
秋に落ち葉が片づけられているか。
四季の手入れの跡をたどると、
管理の質はいっそうはっきりと見えてきます。
2.なぜ植栽から手が抜かれるのか
植栽にこれほど管理の質が表れるのには、
はっきりとした理由があります。
植栽の手入れは、
管理組合が予算を切り詰めるとき、
真っ先に削られる費用だからです。
植物の世話は機械化しにくく、
費用の大半が人件費です。
コストを抑えようとすれば、
水やりや剪定の頻度を落とすしかありません。
その結果、木は枯れ、枝は繁茂し、
見た目は急速に悪化していきます。
やっかいなのは、
一度荒れさせると、
元に戻すのにそれまで以上の費用がかかる点です。
放置が放置を呼ぶ構造になっているのです。
つまり荒れた植栽は、
管理組合の財布に余裕がなくなりはじめた、
早期の警告灯だと読み取れます。
3.修繕積立金では守られない緑
ここで押さえておきたいのが、
植栽の手入れがどの財布から出ているか、という点です。
植栽の日常的な手入れは、
管理費でまかなわれます。
一方、長期修繕計画や修繕積立金が対象としているのは、
あくまで建物の共用部分です。
生き物である緑は、
修繕積立金という安全網の外側に置かれているのです。
だからこそ、植栽の状態は、
修繕積立金残高には表れない
「管理費の体力」を映す鏡になります。
書類のうえで積立金が潤沢に見えても、
現地の庭が荒れているなら、
日々の運営にゆとりがない可能性を疑うべきです。
4.現地で見るべきポイント
実際に現地に立ったら、次のような点を確かめてください。
剪定が行き届いているか。
枯れ木や落ち葉が処理されているか。
雑草が放置されていないか。
あわせて、伸びすぎた樹木がそのままに
なっていないかも見ておきたいところです。
繁茂した枝が建物や通路に当たっていたり、
見通しの悪い死角を作っていたりすれば、
防犯の面でもマイナスになります。
5.切れない大木が語るもの
伸びすぎた木がなぜ放置されるのか。
そこには、管理組合の意思決定という、
もう一つの事情が隠れています。
国土交通省の標準管理規約は、
植栽の伐採のような重要な問題は、
総会の決議で決めることが望ましいとしています。
つまり大きくなりすぎた木を
一本切るにも、総会の合意が要るのです。
緑を残したい住民と、
生活の支障を減らしたい住民とで
意見が割れれば、決定はなかなか前に進みません。
切るに切れず放置された大木は、
管理組合の合意形成が滞っているサインとも読み取れます。
総会議事録から見えてくる統治能力が、
庭先にもにじみ出るわけです。
6.まとめ
植栽の手入れは、
管理組合の財務の余裕も、
意思決定の力も、そのまま庭の姿に表れます。
手入れの行き届いた緑は、
長く価値を保つマンションに共通する、
静かな証しです。
逆に荒れた植栽を前にしたとき、
初心者であればその物件を見送るという判断も、
十分に賢明と言えるでしょう。



