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異なる路線価にまたがって接している土地の評価はどうする?

渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第245回

相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。

Q異なる路線価にまたがって接している土地の評価はどうする?
相続した土地の正面道路を路線価図で確認したところ、
同じ道路なのに途中で路線価が変わっていました。
このような場合、
どちらの路線価を使って評価すればよいのでしょうか?

A
同じ道路でも、交差点やブロックの境界などで
路線価が切り替わることがあります。

土地がその切替部分にまたがって接している場合は、
どちらか一方を選ぶのではなく、
接している長さに応じて「加重平均」した路線価を使います。

1.なぜ路線価が途中で変わるのか
路線価は、道路に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価額です。
同じ道路であっても、交差点の前後や、
商業地域と住宅地域の境目などで、
土地の利便性や価値が変わることがあります。

そのため、同一の道路に複数の路線価が
付されていることは珍しくありません。

2.「加重平均」で1本の路線価にまとめる
国税庁の質疑応答事例では、
正面路線に2つ以上の路線価がまたがっている場合、
接している距離で加重平均して
正面路線価を計算することが示されています。

ポイントは、「面積」ではなく「接道の長さ(間口)」
で按分するということです。

計算式はシンプルです。
正面路線価 =(路線価A × 接道長A + 路線価B × 接道長B)÷ 接道長の合計

3.計算例
具体的な数字で見てみましょう。

【前提条件】
・正面道路に路線価70万円の部分が15m、
路線価79万円の部分が5m接している(合計間口20m)
・奥行20mの整形地(地積400㎡)
・奥行価格補正率は1.00とする

【計算】
ステップ1:加重平均で正面路線価を計算
(70万円 × 15m + 79万円 × 5m)÷ 20m = 72万2,500円

ステップ2:奥行価格補正を適用
72万2,500円 × 1.00 = 72万2,500円

ステップ3:地積をかけて評価額を算出
72万2,500円 × 400㎡ = 2億8,900万円

なお、この例のように奥行が一定の整形地では、
路線価の境界線を延長して土地を2つに分けて計算しても
同じ金額になります(70万円×300㎡+79万円×100㎡=2億8,900万円)。
加重平均は、この分割計算をシンプルに
まとめたものと考えるとわかりやすいです。

4.勝手に2つの土地に分けて評価できるか?
路線価が途中で変わっているからといって、
それだけを理由に土地を2つに分けて別々に
評価することはできません。

相続税の土地評価は、登記上の1筆ではなく、
「利用の単位(1画地)」で行います。
ひとつの土地として一体で利用しているのであれば、
あくまでも1画地として評価し、
加重平均で計算することになります。

仮に路線価の境目で分筆したとしても、
利用実態が変わっていなければ「著しく不合理な分割」として、
分割前の状態で評価されることがあります。

5.まとめ
同じ道路で路線価が途中で切り替わっている土地は、
接している長さに応じて加重平均し、
1本の路線価にまとめて評価します。
面積ではなく「間口(接道長)」で按分するのがポイントです。
不整形地など複雑なケースは専門家への相談をおすすめします。

ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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