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異なる種類の貸し駐車場。まとめて評価してよい?

渡邊浩滋の賃貸言いたい放題 第263回

相続税の基礎から応用までわかりやすくQ&A方式で解説していきます。


Q
土地一部は自分の車庫と資材置き場、
一部は近所の人に月極で貸し、
残りはコインパーキング業者に
一括で貸しています。

どれも「駐車場のようなもの」で、
地目も同じ雑種地でしょうから、
相続税ではまとめて一つの土地として
評価してよいでしょうか?

A
1.同じ雑種地ならまとめて評価できる?
一つの土地でも、自分で使う部分・月極(自主運営)・
業者への一括貸付は、それぞれ別の評価単位として
区切って評価するのが原則です。

地目が同じ「雑種地」でも、まとめて一つにはできません。
その理由は、土地の上に存する権利の
種類・性質が三者三様だからです。

評価単位の基本は、登記簿上の「筆」ではなく
「利用の単位」で区切ります。

雑種地については、
「利用の単位となっている一団の雑種地(同一の目的に供されている雑種地)」
を一つの評価単位とします(財産評価基本通達7-2)。

ポイントは「同一の目的」という言葉です。
同じ雑種地でも、使い方(利用区分)や、
土地に乗っている権利が違えば、別の単位に分けます。

宅地でも、自用地・貸宅地・
貸家建付地を別々に評価するのと、同じ発想です。

2.権利の性質が異なるとは
同じ「駐車場」に見えても、土地に乗る権利の性質はまったく違います。
・自分で使う車庫・資材置場は、当然、自用地。権利の重しはありません。
・月極(自主運営)は、他人に貸してはいますが、利用者に強い権利は生じず、評価は自用地のままです。
・業者への一括貸付は、土地全体に賃借権が乗り、その分を差し引けます。

賃借権が設定されていない(自用・月極)のと、
賃借権が設定されている(業者貸付)とでは、
土地の上に存する権利の性質が異なる。

重さの違うものを一つの単位にまとめてしまうと、
評価がゆがみます。
だから、目的と権利ごとに区切るのです。

なお、月極でも、
無償や固定資産税相当程度の負担で貸しているだけの場合は、
貸付とはみず、自用地として扱います。

3.具体的な区分と評価
例えば、土地600㎡を、次のように使っているとします(路線価25万円/㎡)。
・自分の車庫・資材置場 120㎡ → 自用地評価
・月極(自主運営) 240㎡ → 自用地評価(減額なし)
・コインパーキング業者へ一括貸付 240㎡ → 賃借権を控除(※)
※残存期間に応じた賃借権割合
(例:残存10年以下の場合は法定地上権割合5%と借地権割合の低い方)を適用

評価単位は、この三つに分かれます。ざっくり計算すると、
・自用の車庫・資材置場:25万円 × 120㎡ = 3,000万円
・月極:25万円 × 240㎡ = 6,000万円
・業者貸付:25万円 × 240㎡ = 6,000万円 → ×(1−2.5%)= 5,850万円
合計 = 1億4,850万円

仮に全部まとめて自用地とみると1億5,000万円ですから、
正しく区切ることで、業者貸付部分の賃借権
(150万円)をきちんと控除できるわけです。

逆にいえば、区切らずにまとめると、
下げられる部分を下げ損ねたり、
下げられない部分まで下げてしまったりと、
評価を誤るもとになります。

4.まとめ
評価単位の区切りは、金額そのものだけでなく、
「地積規模の大きな宅地」などが使えるかどうかにも影響します。
どこで区切るかで、
使える特例も変わってくるのです。

区切りの判断は実態しだいで分かれる場面も多いので、
迷ったら、図面と契約・運営の状況を整理したうえで
専門家にご相談ください。

ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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