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【第四十一回】弁護士 関 義之が斬る!①

相続税対策としての養子縁組 ①

弁護士の関です。こんにちは。

平成29年1月31日、相続税対策のための養子縁組が有効か否かについて判断した最高裁判決がでました。
新聞等でも報道されましたのでご存知の大家さんもいらっしゃると思いますが、今回はこの最高裁判決について解説したいと思います。

相続税対策と養子縁組に関する最高裁判決

●養子縁組とは

養子縁組は、民法上認められた、実の親子以外に人為的に親子関係を作る制度です。
私の日常生活においては養子の話はほとんど聞かないのですが、仕事で相続のご相談を受けたときには、養子の話は良くでます。
各家庭により養子縁組をする目的は様々だと思いますが、多かれ少なかれ、「財産を承継させる」という目的が含まれているケースが多いのではないかと思います。

また、養子縁組をすると、相続人が増えますので、相続税法上の節税メリットが生じることがあります。
例えば、

・相続税の基礎控除が増える
・生命保険金や死亡退職金の非課税限度額が増える
・1人あたりの法定相続分が減ることにより相続税の総額が減る

というようなメリットがあります
(ただし、相続税法上の養子としてカウントできる人数には制限があります)。
そのため、税理士から、相続税対策として養子縁組をすすめられたという大家さんもいらっしゃると思います。

ところで、養子縁組をするには、形式的な要件として、戸籍法の定めに従った養子縁組の届出が必要となります。
また、実質的な要件として、当事者間の縁組意思の合致が必要とされています。縁組意思とは、その時代の社会通念上親子関係と認められる関係を創設しようとする意思のことをいいます。
この縁組意思がないときには、養子縁組の届出をしても、その養子縁組は無効になります(民法802条1号)。

今回ご紹介する最高裁判決は、相続税対策で行った養子縁組が、「縁組意思」がないものとして無効になるかどうかについて判断したものです。

全国の税理士が注目していた判決ともいえるかもしれません。
次回はその判決の解説をしたいと思います。

ABOUT ME
関 義之
「関&パートナーズ法律事務所 代表弁護士」 平成10年 3月に早稲田大学法学部を卒業し、 その年の10月に司法試験に合格。 1年半の司法修習を経て、平成12年10月から弁護士登録。 平成23年10月から中小企業診断士にも登録。 法人・個人を問わず幅広く紛争に関する相談を受け、 代理人として示談交渉や訴訟等に対応するほか、 契約書の作成・チェック等、 紛争が生じる前の予防法務にも力をいれている。 不動産の賃貸・売買や、 遺言・遺産分割・遺留分など相続に関する相談を、 幅広く受けている。 特に力を入れている分野は、中小企業の事業承継支援。 セミナー経験多数。 詳しくはWebサイト参照  https://seki-partners.com/
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