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「そもそも物件売却のタイミングって何?」
東京の中心で税務を叫ぶ 第50回コラム

そもそも物件売却のタイミングって何?

 

こんにちは!

 

皆様、物件売却のタイミングはどのように判断されているでしょうか?

税金の面からだと、所有期間が5年を超えているかで判断される方が多いと思います。

 

・短期譲渡(税率39.63%)⇒譲渡する年の1月1日時点で5年以下の所有

・長期譲渡(税率20.315%)⇒譲渡する年の1月1日時点で5年超の所有

 

5年を超えるか超えないかで、譲渡税の税率が倍近く違いますね。

そのため、長期譲渡になるまで待つケースが多いと思います。

ただ、本当にそれでよいのでしょうか?

 

短期譲渡でも売却時の手残りが多ければ、売却した方が有利ではないでしょうか。

以前のコラムでもご紹介しましたが、売却時の手残りは下記のように計算できます。

 

売却金額-借入金残債-売却諸費用-売却にかかる税金=手残り

 

・借入金残債

物件のローンが残っている場合に売却金額で返済しなければなりませんので、

売却時点の残債を控除します。

固定金利で借りている場合には、違約金が発生する可能性があるので、

その金額も考慮しなければなりません。

 

・売却諸費用

仲介手数料、売買契約書の印紙代、測量代など、売却にあたって直接かかった費用です。

 

・売却にかかる税金

譲渡所得税、譲渡住民税になります。短期譲渡か長期譲渡かによって異なります。

 

長期譲渡まで待って税金が低くなっても、売却金額が下落してしまうと、

短期譲渡より手残りが減ってしまう可能性があります。

 

また、そもそも譲渡税は譲渡所得がプラスにならないと発生しません。

 

売却金額-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得

 

売却金額が少ないなどで譲渡所得がマイナスの場合は、

譲渡税が発生しないので、短期も長期も関係ないことになります。

 

長期譲渡にこだわって高く売れる時期を逃してしまうと、

結果的に手残りが少なくなる可能性がありますので気をつけましょう。

 

まとめ

短期か長期かだけでなく、売却時の手残りも考慮しましょう。

②譲渡税は譲渡所得がプラスのときだけ発生します。

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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。

ABOUT ME
大野晃男
1979年12月生まれ。 資格専門学校の簿記講師を経て税理士法人に勤務。 その後、自動車部品製造会社の経理として働く。 実家がサラリーマン大家さんだったことから、 渡邊浩滋総合事務所に興味を持ち、入所。
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