~分譲マンション投資の魅力~
今回は、融資審査に必要となる
「固都税額がわかる資料」を解説します。
金融機関は、この一枚から二つの
まったく異なる情報を読み取っています。
一つは物件の収支、
もう一つは担保としての価値です。
その読み方を順に解き明かしていきます。
1.固都税額がわかる資料とは何か
固都税とは、固定資産税と都市計画税という
二つの税金をまとめた呼び方です。
いずれも不動産を所有している限り、
毎年課税されます。
金融機関に提出する「固都税額がわかる資料」とは、
具体的には納税通知書と、
それに同封される課税明細書を指します。
この二つは似て非なるものです。
納税通知書には実際に納めるべき税額が記載され、
課税明細書にはその税額を算出する根拠となる
評価額などが記載されています。
これらの書類は、毎年1月1日時点の所有者に対して、
4月から6月頃にかけて市区町村から送付されます。
東京23区の場合は、各区ではなく都税事務所から届きます。
したがって、購入予定の物件について
買主が独自に取り寄せることはできず、
現在の所有者である売主から提供してもらう
必要があります。
購入を決めたら早めに手配したい書類です。
2.第一の視点 ― 収支は回るのか
金融機関がまず確認するのは、
この物件が毎月いくらの手残りを生むのかという点です。
不動産投資の返済原資は家賃収入です。
しかし、家賃がそのまま手元に残るわけではありません。
家賃から、ローンの返済額、管理費、
修繕積立金、そして固都税を差し引いて、
なお収支がプラスになるか。
金融機関はこの計算を必ず行います。
固都税は、毎年必ず発生する固定的なランニングコストです。
月々の家賃に比べれば小さく見えても、
年単位・保有期間全体で見れば収支を確実に削っていきます。
ここで投資家が見落としがちな
落とし穴があります。新築物件の軽減措置です。
新築住宅は、一定の床面積要件を満たせば、
当初3年間(3階建て以上の耐火・準耐火建築物などは5年間)、
建物部分の固定資産税が2分の1に軽減されます。
裏を返せば、
この軽減期間が終了した翌年から、
固都税は跳ね上がります。
新築当時の納税通知書だけを見て収支を組んでいると、
数年後に想定外の負担増に直面することになります。
金融機関は、こうした将来の税負担の増加まで見据えて、
収支シミュレーションの妥当性を判断しています。
3.第二の視点 ― 担保としての価値
固都税額がわかる資料には、もう一つの顔があります。
担保評価の出発点としての役割です。
課税明細書には、
土地と建物それぞれの
「評価額(価格)」が記載されています。
これが固定資産税評価額であり、
金融機関が物件の担保価値を積算する際の手がかりになります。
固定資産税評価額には、
おおよその目安があります。
土地については公示価格の7割程度、
建物については再建築にかかる費用から
築年数に応じた減価を差し引いた水準とされています。
金融機関はこの数字を手がかりに、
土地のおおよその時価や、
建物の構造・築年に応じた残存価値を推し量ります。
課税明細書の評価額は、
それ自体が物件の価値を断定する数字ではありません。
土地の評価額は路線価や公示価格へ、
建物の評価額は構造と築年へと、
それぞれ別の指標を指し示す索引なのです。
評価額を入り口に、
登記事項証明書の地積・床面積、
重要事項説明書の構造の記載と照らし合わせて初めて、
担保としての実像が浮かび上がります。
4. まとめ
固都税額がわかる資料は、
融資の必要書類の中でもっとも見過ごされやすい一枚です。
しかし金融機関は、
この資料から物件の収支と担保価値
という二つの核心を読み取っています。
売買契約書から固都税額の資料まで、
それぞれの書類が融資審査の
どこに効いているのかを理解しておくことが、
融資をスムーズに通し、
堅実な投資判断を下すための確かな土台となります。



