東京の中心で税務を叫ぶ 第108回コラム
不動産所得で赤字を出せば必ず還付が受けられる?
大家さん
不動産所得で赤字を出せば必ず還付が受けられる?
大野
今回は不動産所得で赤字を出せば必ず還付が受けられる?についてお話します。
こんにちは!
今回は、確定申告にまつわる勘違いをご紹介します。
よくあるカン違い
「不動産所得で200万円くらい赤字が出そうです。
200万円×税率の分だけ還付が受けられますか?」
不動産所得が赤字になった場合で、
他の所得と相殺(損益通算)できるときでも、
必ず還付が受けられるわけではありません。
確定申告して還付が受けられるのは、1年間の税金の総額より、
すでに前払した税金の方が大きい場合です。
前払いする税金として代表的なものは、
給与や年金を受取るときに源泉徴収される所得税や、
予定納税した所得税です。
たとえば、給与から源泉徴収により前払した税金が30万円あるときに、
不動産所得が赤字だったために、給与所得と損益通算できたとします。
その結果、確定申告による税金の総額が20万円になった場合は、
過払いしている10万円の還付が受けられます。
なお、還付が受けられるのは、前払した税金の30万円が上限です。
赤字額×税率の分の還付が受けられるとは限りませんのでご注意ください。
では、もし給与を受取っておらず、前払した税金がない場合はどうでしょう。
この場合は、いくら不動産所得がマイナスになっても還付になることはありません。
還付金は、あくまでも前払いした税金があるときにだけ発生するものです。
なお、青色申告者で、損益通算できずに不動産所得の赤字が残るときは、
3年間赤字を繰り越すことができます。
まとめ
①年間の税金<前払いの税金 のときに、還付が受けられます。
②前払いの税金がないときは、還付にはなりません。
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楽待 不動産住宅新聞でもコラム連載しています。
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