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十二条点検という建物の健康診断 ~分譲マンション投資の魅力~

十二条点検という建物の健康診断
~分譲マンション投資の魅力~

前回、クラックスケールで測れるのは手の届く範囲だけだとお伝えしました。
では、五階の外壁はどうするのか。
見上げて眺めるしかないのか。

そうではありません。
一定のマンションには、
外壁を調べて行政に報告する義務が課されています。
今回はその仕組みを取り上げます。

1.建物にも健康診断がある
建築基準法十二条は、
特定の建築物の所有者や管理者に対し、
定期的な調査と行政への報告を義務づけています。
十二条点検と呼ばれる制度です。

対象になるのは、多くの人が使う建物です。
維持管理を怠れば、
外壁の落下や避難経路の不備が人命に関わるからです。

マンションの場合、
調査するのは一級建築士などの有資格者です。
共用部分が対象で、
各住戸の室内は含まれません。
おおむね三年ごとに報告します。

私たちが健康診断を受けるように、
建物も定期的に診てもらう。
そういう制度だと考えてください。

2.十年目に、外壁の全面を叩く
この制度の中で、外壁については特別な決まりがあります。

平成二十年四月以降の報告では、
新築または外壁の改修から十年を過ぎたタイル張りの建物は、
全面を打診等により調査することとされました。

打診とは、専用の棒で壁を叩き、
返ってくる音を聞く方法です。
タイルの裏側が浮いていれば、
詰まった音ではなく空洞の音が返ります。

なぜ十年かというと、
タイルの剥落による事故が実際に起きてきたからです。
落ちれば人に当たります。
だから、通常の目視だけでは足りないとされたのです。

高所は足場やゴンドラ、
あるいは赤外線調査などで確認します。
いずれにせよ、私たちが手を伸ばせない範囲を、
専門家が代わりに見てくれているのです。

3.重要事項説明で、必ず告げられる
宅地建物取引業法により、
定期報告書類の保存状況は、
重要事項として説明すべき内容とされています。

つまり、購入を検討する私たちは
この書類があるかないかを必ず告げられる立場にあります。
こちらから探しに行かなくても、説明の場で出てくるのです。

保存されているなら、内容を見せてもらいましょう。
指摘事項があったのか。
あったとして、是正されたのか。

外壁に浮きが見つかったまま何年も放置されているなら、
それは管理組合の姿勢を映しています。

4.対象外のマンションも多い
ただし、注意点があります。

この制度の対象となる建物は、全国一律ではありません。
国が定める基準に加え、各自治体が独自に対象を指定しているためです。

共同住宅について見ると、
東京都や北海道、福岡では五階建て以上、
埼玉や神奈川では六階建て以上が対象です。
大阪府では三階建て以上で床面積千平方メートル以上、
または五階建て以上で五百平方メートル以上
といった基準が設けられています。

自治体によっては、
一般の共同住宅を対象外としている場合もあります。

ですから、報告書がないと言われても、
それだけで管理が悪いとは限りません。
そもそも義務がなかった可能性があるからです。

では対象外だった場合はどうするか。
修繕履歴に戻ります。
大規模修繕の際には外壁の調査が行われているはずですから、
その記録を確認するのです。

5.まとめ
報告書があるかないかは、
結論ではありません。
あるなら中身を見る。
ないなら理由を確かめる。
つねに何が資料として使えるかを
考えることが投資には必要とされる能力です。

ABOUT ME
渡邊浩滋
大家さん専門税理士事務所、渡邊浩滋総合事務所代表。当サイトを運営する大家さん専門税理士ネットワーク「Knees(ニーズ)」代表。 自らも両親から引き継いだアパートを経営する大家であり、「全国の困っている大家さんを助けたい」という夢を叶えるべく日々奔走している。 全国でのセミナー出演、コラム執筆等多数。
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