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Q滞納家賃(未収金)が回収できない場合、家賃の債権放棄をして未収金を消すことはできますか。

賃貸物件を複数所有しています。いくつか滞納されている部屋があります。滞納の家賃も収入に計上しなければならないことを知りました。今年の確定申告は滞納家賃を未収金として計上して、提出しました。しかし、滞納家賃は、今後も支払われない可能性が高いと思います。このまま未収金として残ってしまうのでしょうか?家賃の債権放棄をして、未収金を消すことは可能でしょうか?

A

未収金を消す処理とは、貸倒損失と認められなければなりません。貸倒損失と認められる場合には、下記の事由に該当する場合に限られています。
(1)客観的に債権が切り捨てになった場合
破産や民事再生などの決定により、債権が切り捨てになった場合
(2)債務免除の通知をした場合
債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、滞納家賃の回収ができないと認められる場合において、その滞納者に対し書面で債務免除の通知をした場合
(3)事実上回収ができない場合
滞納者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合
上記(2)の債務免除の通知をした場合には、貸倒損失として認められることになります。しかし、単に債務免除の通知をするだけでは認められません。債務超過の状態が相当期間継続していることが条件になります。この相当期間とは、一般的に3年~5年と言われていますが、特に規定があるわけではないため、債務超過の状況に応じて判断することになります。滞納者が債務超過かどうかは判断しづらいため、下記のような事実を証拠書類として保存しておくことが必要になります。
〇滞納者の家賃入金の履歴
〇滞納者への督促の状況の記録
〇滞納者の資産の状況の聞き取りの記録