~分譲マンション投資の魅力~
現地調査で立地状況を見ることが原則ですが、
今回は、そのマンションを誰が建てたか。
分譲会社の名前から判断材料となるか、という点を解説していきます。
1.大手は、土地の何を見ているのか
三井や野村といった大手は、用地の選定を厳しく行っています。
これは実感ではなく、事業の構造がそうさせています。
大手は物件にブランド名を冠し、
開発から販売、管理までを一貫して手がけます。
一棟の失敗が、他の物件の評価まで傷つけるのです。
だから、事業化の判断に何段階もの確認を重ねます。
具体的には、まず地域の需給を調べます。
人口の推移、競合物件の状況、交通インフラ、
行政の開発方針。
地価の動向や再開発の計画も織り込みます。
次に土地そのものです。
形状と面積が計画に見合うか。
地盤は建物を支えられるか。
そして法規制です。用途地域は何か。
日影規制や斜線制限で、
想定した規模の建物が建つのか。
最後に事業収支を組みます。
土地代、建築費、想定販売価格。
ここで採算が合わなければ、
どれほど良い土地でも見送ります。
つまり、大手のマンションが建っているという事実は、
その土地がこれらの関門をすべて通過したことを意味しています。
2.なぜ、その土地を大手が取れるのか
大手は数多くの現場を抱え、
ゼネコンにまとまった発注量を約束できるため、
資材や設備を安く調達できます。
原価が下がるのです。
一方、売る側では、
ブランドのおかげで相場より
高い価格でも買い手がつきます。
原価が低く、売値が高い。
だから用地を高値で買っても採算が合う。
権利関係がすっきりした素直な土地の取り合いになれば、
最も高い値を出せるのは大手です。
厳しい選定基準と、高値を出せる資金力。
この二つが揃うから、
優良な立地に大手の名前が並ぶのです。
3.中小が建てたから劣る、ではない
では、聞いたことのない
会社の物件は避けるべきかというと、
そうではありません。
中堅は、大手と同じ値段で仕入れれば採算が合いません。
そこで、借家人の立退きが必要な土地や、
所有者が何人にも分かれた土地など、
手間のかかる案件を担います。
これは「悪い立地」ではなく「扱いの難しい土地」です。
駅前の一等地が、
こうした地道な仕事を経てマンションに
なることも珍しくありません。
警戒すべきは規模ではなく、
買い方のほうです。
急拡大している時期の会社は、
実力に見合わない値段で用地を
取りにいくことがあります。
事業を急拡大している時期の会社は、
実力に見合わない値段で用地を取りにいくことがあります。
リーマンショックの後、
中小や新興のデベロッパーが融資の
引き締めを受けて次々に姿を消したのは、
その理由でした。
4.築古では、分譲会社はもう保証してくれない
法律上、分譲会社は構造や雨漏りに関わる部分について、
引渡しから十年の責任を負います。
会社が倒れても果たされるよう、
保険加入か供託も義務づけられています。
しかし私たちが狙うのは築三十年前後の物件です。
その十年はとうに過ぎ、
建てた会社そのものが存在しないことも珍しくありません。
ですから、分譲会社名を「保証」として読んではいけません。
意味を持つのは、その土地が
当時どう値踏みされたかを推し量る手がかりとして、
ただそれだけです。
分譲会社の名前は、
登記事項証明書をさかのぼれば
最初の所有者として残っています。
5.まとめ
誰が建てたかは、
その立地の履歴書のようなものです。
名前で当たりをつけ、
現地で答え合わせをする。
この順序さえ取り違えなければ、
分譲会社は立地を読む心強い手がかりになります。



